昨年7月に父が97歳で亡くなり、9月に母が93歳で後を追うように亡くなった。共に老衰であった。父の死後、母は落胆したように見えた。配偶者の死が、残された方にどのように影響を与えるのか気になった。以下のような記事が見つかるが、それらの根拠となるデータ (元の文献) に辿り着くことはできなかった。
そこで、学術論文を検索したところ、男性約41万人、女性約51万人を対象としたデンマークでの統計調査結果に (以下)、これをはっきりと見ることができる。妻に先立たれた夫はその後短命であり逆は長命傾向。具体的には、男性65〜69歳の場合、妻に先立たれて1年以内の死亡率は、妻を失っていない場合より70%高くなる。この傾向は高齢になるほど低い。一方、女性は85歳以上において、夫に先立たれて1年以内の死亡率は、夫を失っていない場合より13%低くなる。若い年齢層では、この傾向は低い。
芸能人の例では、朝丘雪路さんの死から4ヶ月後に、夫の津川雅彦さんが心不全で亡くなっている。また、樹木希林さんの亡くなった6ヶ月後に、夫の内田裕也さんが肺炎で亡くなっている。なるほどと肯けるが、体験者のお気持ちをおもんばかりたい。妻との死別あるいは別離、あるいはその逆もあり得るが、以下のようなアドバイスが挙げられる。(1) 普段から炊事、洗濯、掃除などの家事に慣れておく。また、配偶者はその行動を妨げてはいけない。(2) 大切なものを失うことすなわち 「対象喪失」 に対し、その事実を受け入れ、アルコールや甘い物を摂取しすぎると言ったアディクション (依存性) に陥らない。これにより、糖尿病や循環器疾患などのリスクを下げられる。
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